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2012年2月19日日曜日

鈴木女史

昨年の暮れに私の舞台を突然見にやって来た女がいた。

それが鈴木女史。
現在、ここに居着いている。

第一印象は最悪だった。
とにかく来たい、というので
「今夜なら舞台がある」と教えたら
バイトの面接を受けたその足で
新宿から高速バスに飛び乗った、という。

「飯島」じゃなくて「飯田」で降りるよう告げた。
そのまま昼神に向かうためだ。
それなのに彼女は「飯島」で降りた。
本番の時間は迫ってる。
「飯島」には私は戻れない。

彼女は「私なら大丈夫です!」と言ったが
既に外は氷点下。
直ぐに地元の友人に電話して
彼女をピックアップして
昼神に連れてきてもらえるようお願いした。

それが彼女との最初の出会い。
忙しい年末、精神的に余裕の無かった時で
私は尋常じゃなく怒ったと思う。

舞台を見てもらって、ひとしきり彼女の話を聞いて
翌日早くに帰した。

そんな彼女は1ヶ月後の1月末
再びやって来た。
スーツケースにパンパンに食材を入れて。

「私は生活のルールが沢山あるし、気難しいよ」
と脅した。まあ事実だし・・・。

そして現在に至る。

私が彼女を受け入れようと思った決め手が1つだけあった。
彼女が「ここに居たい」と私に懇願した言葉が
私が97年、岡本の元を訪ねた時
懇願した言葉とまったく同じだったからだ。
(その言葉は当面彼女には教えないでおくつもり)

第一印象が最悪だったお陰で
現在は何をやっても良く見える鈴木女史。

「雛がたり」再演に向けてキリキリマイの私を
大変助けてくれています。大活躍です。


今度の「雛がたり」の舞台美術の
試作の前段階を試みる鈴木女史。