油粘土で造形して、それに石膏をかけて
型を取る。
今度はその石膏型に
膠(にかわ)を浸して絞った和紙を
張り込んでいく。
乾いたら、張り込んだ和紙を抜く。
今私の演目で活躍している
岡本作の面の石膏型がどうしても
見当たらない。
あれどこにやったの?って聞かなきゃ、って
普通に思って、あー・・・と思う。
まさかこんなことになるとも思わず
岡本がまだ元気だった頃
ゴミ同然に山積みに放置されていた石膏型を
キチンと整理しようと促した。
一つ一つ確認して、名前を書いて保管していった。
私はその中に「清姫」だの「小町」だのといった
重要な型の救出の事だけ考えていた。
(女の悲しい直感がそうさせたのだろうか・・・)
その今でも活躍しているお面は
目、口の3つの穴が開いているだけのもので
通称“無垢面”と呼んでいた。
岡本は好んでそれを何種類も沢山作っていた。
廃棄したものも沢山あった。
無いという事は、良い面だと分からず
破棄してしまったんだな、と残念に思う。
面の状態が健全なうちに
油粘土の造形から
自分で再現しなければ、と思う。
“無垢面”は一見、穴が開いているだけの何でもないお面。
だけどその穴の大きさ、微妙な位置がちょっと違っただけでも
全くニュアンスが変わってくる。
自分が「これでなければ嫌だ!」と思っているので
今年中には取り掛かりたいと思っている。
直ぐ名前書いておかないと、作った本人ですら どの人形の顔なのか分からなくなるのです・・・。 |
5/21の読売新聞、中南信地域枠に 記事が掲載されました。 |